しずく開発秘話

開発期間6年の秘蔵酒、解禁。

 

 

​販売を目的とせず、採算度外視で、造り手が最も理想とする「夢の日本酒」を造れるなら?

 

5年前に、この問いをカタチにすべく、弊社の6つの酒蔵パートナー・杜氏さん達の知見を結集し、試行錯誤を繰り返し、髙島屋のベテランバイヤー様や予約困難店の料理人様の協力も得て、開発を進めてきた日本酒があります。

 

それが、純米大吟醸かつ無濾過生原酒の「しずく直汲み」です。



製造工程と香味の厳格な基準をクリアした瓶のみ「しずく直汲み」として出荷。

 

 

複雑な工程を全量手作業で行い、厳格な基準をクリアした時にだけ、認定書を発行し出荷する「しずく直汲み」。多く醸造できないため、これまでは開発にご協力頂いた髙島屋様にて、ごく限られた期間、一部のお客様へのご案内に限定していました。

 

この度、2017年の開発開始から5年目を迎えるにあたり、少量ではありますが、弊社を支えて下さっている特別なお客様にもご案内できる様に調整し、ようやく目処がたちました。

 

以下に、

1章 「しずく直汲み」製法の現場風景

2章 5年間の開発秘話

3章 造り手と私達の想い

 

をお届けいたします。少し長くなり恐縮ですが、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。

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1章 「しずく直汲み」製法の現場風景

 

ドリップコーヒーのように、滴るしずく。「しずく直汲み」が出来るまで。

 

 

「しずく搾り」は古くは江戸時代から採用されてきたとされる、重力以外の圧力を加えない繊細な伝統手法です。

 

 

技術が発展した現代でも、雑味のない最もキレイな味わいを実現できる、最上の酒造り技法とされています。

 

温度管理を繊細に行うために、最小サイズの醸造タンクを用い、約30日の発酵期間は、朝晩 0.1℃単位で、精緻に温度を確認。造り手にとって気の休まらない日々が続きます。

 

 

発酵を終え、搾りの日を迎えます。搾りの手法は、全量手作業の「しずく搾り」。専用の酒袋に発酵を終えたもろみを入れ、丁寧に吊るし、お酒の「しずく」が染み出すのをじっと待ちます。

 

 

やがて、ポタリポタリ・・・お酒が生まれる音が、蔵に響きわたります。

ここからが、最後の杜氏の腕の見せ所です。

 

 

テイスティングを繰り返し、今という見極めたタイミングで、風味と香りを封印するために「直汲み」手法で、その場で直接瓶に詰めます。

 

 

別室に移り、蔵元、杜氏、弊社スタッフで、あらためてティスティングを行い、去年からの変化、香りや味、香味の調和など五感を駆使して評価。

 

その年のどのタイミングで搾ったどの瓶が「しずく直汲み」商品として出荷に相応しいか、慎重に見定めていきます。

 

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2章 5年間の開発秘話

6蔵の知見を結集して、終わりのない上質な味を追求。

こうして、2017年より毎年、6つの蔵それぞれで醸造の時期をずらし、各蔵でのその年の学びを共有し、他の蔵の醸造に活かしながら、「しずく直汲み」の品質向上に取り組んできました。

 

それぞれの蔵は100年以上の歴史を有し、酒袋の洗い方、吊るし方、最適な瓶詰めのタイミングの見極め方など、代々受け継がれてきた「しずく搾り」の知恵とこだわりがありました。

 

 

これらの長い歴史に裏打ちされた伝統と知恵を、パートナーの6蔵間でオープンに共有し、現代だからこそ出来る精緻な温度管理、分析、氷温での保管を活用し、フレッシュで「生」の状態の「しずく直汲み」を、鑑評会のみでなく、皆様へお届けすることを実現しています。



 


3章 造り手と私達の想い

「蔵の最高技術を活用した日本酒が、鑑評会用のみであるべきではない」蔵元のひと言が、実現の後押しに。

「しずく搾り」は前述の通り、酒蔵の最も高い品質のお酒を実現できる一方で、その工程は極めて複雑、かつすべてが手作業のため、多くの人員と時間を要します。

 

 

通常は、1時間程度の機械搾りに対して、最大で「48時間」程度の時間をかけて搾りを行うことになり、十数人の蔵人が総出で作業に当たり、杜氏は泊り込みで頻繁な酒質確認を行います。

 

 

このような人員と時間をかけることは、通常は難しいため、酒蔵は年に一度の「鑑評会出品酒」に、この「しずく搾り」を用いて酒造りを行なっています。

 

 

そのため、5年前に「しずく搾り」の「直汲み」に挑戦する、というアイデアが出た時にも、人員や時間の制約に関する様々なハードルがありました。

 

しかし、

 


「蔵の最高技術を活用した最高峰の日本酒が、鑑評会用のみであるべきではない。

 

"お客様に飲んで評価して頂いた時" に、初めてそのお酒は "最高峰" になる。」

 

一人の蔵元の想いに、全員が賛同し、2017年より、毎年例外なく全蔵で協力し、進めてきました。

 

 

まだ発展途上かもしれませんが、私たちとパートナ酒蔵の皆様全員の想いが詰まった5年間の成果を、少量となりますが、特別なお客様にお楽しみいただけますよう、お届けさせていただきます。

 

 

しっとりなめらかなテクスチャー、白い花やライチの香り。

 

 

明るいイエローの色調、しっとりとなめらかなテクスチャー。香りは、徐々に繊細に。

 

まるで摘みたてのイチゴやメロンのような甘くフルーティな香り、白い花やライチなど、凝縮した上立ち香を感じます。

味は、複雑味があり、クリーミーな質感。バランスの良い上品な酸味と共に、うまみのある奥深い味わいがジワリと口の中に広がっていくような感覚。

 

余計な圧力がかからないため、もろみのお米が潰れることがなく、雑味のないクリアな味わいになります。

 

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