「うなぎ」は、ウナギ科ウナギ属に属する魚の総称、またはその中でも特に食用とされるニホンウナギを指します。世界には19種類のウナギが確認されており、日本で一般的に食されるのはニホンウナギ(Anguilla japonica)です。 生物学的には、条鰭綱ウナギ目ウナギ科ウナギ属に分類され、細長い円筒形の体とぬるりとした皮膚が特徴です。背びれ・尾びれ・尻びれが連続し、微小なうろこが皮下に隠れているため外からは見えません。背面は暗褐色〜黒褐色、腹面は白っぽい色をしています。 うなぎは降河回遊性を持ち、海で産卵・孵化した稚魚(シラスウナギ)が川を遡上して成長し、成熟すると再び海へ戻り産卵します。また夜行性で、昼間は泥や岩穴に潜み、夜間に小魚や甲殻類を捕食します。 食材としてのうなぎは、滋養強壮に優れるとされ、日本では蒲焼、うな丼、うな重などの料理で親しまれています。夏の土用の丑の日には特に食され、調理法にも地域差が見られます。関東では蒸してから焼く「蒸し焼き」、関西では蒸さずに焼く「地焼き」が主流です。
うなぎと日本酒は、互いの良さを引き立て合う、日本食ならではの組み合わせです。うなぎの脂と旨み、日本酒の米の味わいが調和し、一口ごとに心地よい余韻を生みます。その魅力は主に三つあります。
まず、脂と旨みを引き立てる相性です。うなぎの濃厚な脂は、日本酒の持つ旨味と合わさることで、味わいに深みが生まれます。日本酒を添えることで、うなぎの美味しさをより感じやすくなります。
次に、口をさっぱり整える爽やかさです。脂のあるうなぎを食べた後に日本酒を口に含むと、口の中がすっきりして最後まで飽きずに食事を楽しめます。
そして、なんといっても蒲焼のタレとの相性です。甘辛いタレの風味は、日本酒のやわらかな甘みとよく合います。
こうした相性の良さが、うなぎと日本酒の組み合わせが長く愛されてきた理由です。
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うなぎの生態と特徴
うなぎと組み合わせて楽しみたい日本酒
うなぎと日本酒の組み合わせは、互いの長所を引き立て合う、日本食文化の粋を凝縮した最高のペアリングです。うなぎの蒲焼きはタレの甘みと身の脂、香ばしさが特徴で、合わせる日本酒のタイプによってその魅力を何倍にも引き出せます。
脂をすっきり洗い流すなら「辛口」
うなぎの濃厚な脂が少し重たく感じるときは、キレのある辛口の日本酒が口の中をリフレッシュしてくれます。これにより、次の一口がまた新鮮な美味しさで楽しめます。
選ぶべき日本酒
純米吟醸や本醸造酒の辛口タイプがおすすめです。すっきりとした味わいが、うなぎの脂を軽やかに流してくれます。 うなぎの濃厚な脂は旨みの源ですが、口に残りやすいという特徴もあります。辛口の日本酒はキレが良く、後味がすっきりしているため、うなぎの脂やタレの濃さをさっと洗い流してくれます(ウォッシュ効果とも呼びます)。結果、口の中がリセットされ、次の一口をより新鮮に美味しく味わうことができます。
楽しみ方
冷やして飲むと、キレが際立ち、うなぎの脂とのコントラストがより明確になります。冷蔵庫でゆっくり冷やしても良いですが、瓶や徳利ごとボウルやクーラーに氷水を張って冷やすと、キリッとした味わいが楽しめます。
タレの旨みを引き立てるなら「旨口」
うなぎの蒲焼きの甘辛いタレには、同じく米の旨みが豊かな日本酒がよく合います。タレのコクと日本酒の旨みが口の中で一体となり、料理の深みをさらに増してくれます。
選ぶべき日本酒
純米酒などの旨口タイプがおすすめです。米の濃厚な旨みが、タレの甘みやうなぎの脂と調和します。
楽しみ方
冷やしてもいいですが、少しぬる燗にすると、米の香りが開き、よりまろやかなペアリングを楽しめます。
香りを重ねて楽しむなら「熟成酒」「ひやおろし」
うなぎの香ばしさや、繊細な身の香りをさらに引き立てたい場合は、日本酒が持つ香りとのペアリングを意識してみましょう。
選ぶべき日本酒
熟成や秋あがりによって生まれるナッツのような香ばしさが、うなぎの皮の香りと見事に調和します。
楽しみ方
どちらも常温かやや冷やして飲むことで、香りを最大限に感じられます。このように、うなぎの調理法(蒲焼き、白焼きなど)や好みに合わせて日本酒を選ぶことで、食事がより一層豊かな体験になります。ぜひ、ご自身の「ベストペアリング」を探してみてください。
関東風と関西風で合わせる日本酒
うなぎの調理法(蒲焼き、白焼きなど)や好みに合わせて日本酒を選ぶことでも、食事がより一層豊かな体験になります。ぜひ、ご自身の「ベストペアリング」を探してみてください。
うなぎの調理法と味わいの違い
関東風は、背開きにした鰻を一度蒸してから焼き上げるため「ふっくらとろける」柔らかい食感が特徴であるのに対し、関西風は腹開きにして蒸さずに直火で焼き上げる「地焼き」のため、「パリッと香ばしい」力強い食感が特徴となります。
関東風のうなぎを食べるなら
繊細な香りの「純米吟醸」や、燗にして美味しい「旨口の純米酒」を選ぶと、失敗が少ないでしょう。
関西風のうなぎを食べるなら
力強い味わいに負けない「濃醇な純米酒」や、香ばしさを引き立てる「超辛口の日本酒」を選ぶのがおすすめです。
